浦スタも賛同「さあ、廃止に向けてまた民主主義始めなきゃ」

明日の自由を守る若手弁護士の会

(あすわか)が早速声明を発表しました。

「さあ、廃止に向けてまた民主主義始めなきゃ」声明 -

http://www.asuno-jiyuu.com/2015/09/blog-post_19.html


”憲法12条はいいます。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」
69年前から、まるで今日のこの光景を見越していたかのようなメッセージは、悔し泣きしてる場合じゃないよ、と私たちの背中をパシっとたたきます。
私と、大切な家族、そしてかけがえのない子どもの自由と、平和な明日を守るために。誇りある人間として、この国で生き続けるために。
さあ、今からまた、民主主義、始めましょう。”


全文はこちら↓

~安全保障関連法案の強行採決に強く抗議
             っていうかむしろ拒否!~

 

本日、集団的自衛権の行使を具体化する安全保障関連法案が、参議院本会議にて可決成立しました。私たち「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、この歴史的な権力の暴挙に心の底から怒り、抗議します。

思えば安倍政権の最大の特徴は、いつだって「民意に対する敵意とおそれ」でした。
国民と国会からあらゆる情報を隠すための特定秘密保護法は、国民が自分の頭で考えることができない社会とおよそ議論ができなくなる国会を作るために作られました。
次に、突然、「戦争放棄を宣言する憲法9条は、日本と何らかの関わりがある他国間の戦争への参加を認めている」と、およそ解釈とはいえない解釈改憲を閣議決定しました。
そして、今日。


なぜ戦争を放棄して平和国家として積み重ねた70年間の歩みを方向転換して、先制攻撃も辞さない好戦的な国家へと変わらなければならないのか、私たちは理解できません。「安全保障環境が厳しさを増している」と政府・与党は物知り顔で繰り返し、戦争放棄をただの理想論かのように冷笑します。けれども、ホルムズ海峡が封鎖されることが現実的にあり得ないことは首相自身が認め、最大の貿易相手国である中国が侵略してくるなんて話も、ちょっと考えればファンタジーでしかないことは誰の目にも明らかです。
 国家と国家がもはや後戻りできないほど複雑に依存し合い、絶えず人々が行き交うこの国際社会の現実は、紛争を軍事力で「解決」できるなどという発想こそ時代遅れで、むしろ「対話」での歩み寄りこそが唯一最善の方法であることを教えてくれているように思えます。
理論の上でも、集団的自衛権の行使はまぎれもない武力行使であり憲法9条に違反し、圧倒的な数の研究者・法律家によるいまだかつてない猛烈な批判が、同法案の破綻を暴いています。

「対話」に価値を見いださない政権は、民主主義そのものをも、否定しました。
野党からの質疑にはまともに答えず、また不誠実な議事運営を繰り返し、議論を拒否する姿勢を見事に貫いたのです。理性、知性、あるいは誠意。そのすべてをかなぐり捨ててまで法案を成立させた政府が、「国民の命と暮らしを守るための法律」「国民の理解が進むよう努力を重ねていきたい」と胸を張る姿は、グロテスクなまでの光景です。
憲法を自分たちに都合のいいように読み、真摯な議論もないまま多数決で法案を成立させる政権には、立憲主義への理解も、民主主義への理解もなく、私たちは法律家としてこの暴力的な政権を断じて許すことはできません。

国会を包囲した皆さん。
勇気を持って議員にFAXを送った皆さん。
思い切って街でプラカードを手にしてみた皆さん。
まさか政治のことなんかで自分が涙を流すなんて、という思いで目を真っ赤にしている皆さん。
言葉では言い表せないほど、悔しい。私たちも同じです。
「戦争法案」は成立してしまった。
でもまだ、自衛隊は「派兵」されていない。
まだ、自衛隊は一発も銃を撃っていない。
私たちには、まだいくらでもこの国の民主主義と平和を取り戻すチャンスがあります。

この国の行方を決める最終的な決定者すなわち主権者は、私たち国民です。
国民から逃げ続け、民意を軽視する議員さんに、私たちの想いを託すことは
できません。
皆さんが、来年の参議院議員選挙で、国民の声を誠実に聞き、憲法によって
しばられていることを深く自覚した議員さんをたくさん当選させれば、戦争法の運用を止めることができます。戦争法を実行に移すための細かい施行規則の作成も、派兵のための国会承認も、阻めるでしょう。戦争法の廃止は、そこからスタートです。

立憲主義は破壊された?
民主主義は破壊された?
そうかもしれません。
もし、12万人で国会を包囲した時の高揚を忘れてしまうなら、もう終わりかもしれない。
もし、「ごめんね、がんばったんだけど」と子どもに言い訳をしてまた慌ただしい日常に戻り、この数ヶ月のことを忘れてしまうなら、もう終わりかもしれない。
こんなことでは終われない!
終わらせるわけにはいかない!でしょう?

憲法12条はいいます。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」
69年前から、まるで今日のこの光景を見越していたかのようなメッセージは、悔し泣きしてる場合じゃないよ、と私たちの背中をパシっとたたきます。
私と、大切な家族、そしてかけがえのない子どもの自由と、平和な明日を守るために。誇りある人間として、この国で生き続けるために。
さあ、今からまた、民主主義、始めましょう。

「あすわか」450名は、このままでは終わらせない主権者の皆さんと共に、これまでにない豊かで深い戦後デモクラシーをこの手で作り上げるために、不断の努力を続けます。

   2015年9月19日
   「明日の自由を守る若手弁護士の会」
   共同代表 神保 大地
    〃   黒澤 いつき